ハイグレクエスト 第6話

こんばんわー
相変わらずご無沙汰しております

やっとお会いすることができましたね。安心してください、生きてすよ(古

もうみんなストーリー忘れてるであろうハイグレクエストの6話の更新です(`・ω・´)
1〜5話まではこちらにあります。よかったらどうぞ

そして、6話もどうぞー(`・ω・´)





 月の神殿はこれまでの神殿と違って明らかに異質だった。全く人の気配は感じられない。が、手入れはしっかり行き届いている。ゴミはおろか埃すら落ちていない。祭壇もピカピカに磨き上げられていた。
 小さな建物の中を手分けして探す勇者一行。しかし目的のアクションソードに繋がりそうな手がかりは見つからなかった。
「この神殿は本当に使われていないんですか?」
 スカートの中が見えてしまいそうなくらい反射する床。本能的に裾を手で押さえながらレナが聞いた。
「この神殿には聖霊様が眠っているの」
 レナの問いにポトルが答える。
「聖霊……?」
 反応したのはルルだった。
「そう。だから今も教会と騎士団で聖霊様に失礼のないよう定期的に掃除などをしているのよ」
「へえ~。会ってみたいなあ」
「ノクス様はかなり気まぐれでここ数百年は人前に姿を現していないの。だから実際に私たちもお会いしたこはないのよ」
「数百年……」
「でもレナは勇者だからな。案外簡単にお会いできるかもしれないぜ」
 フィルアが陽気に言う。
「また勇者様にそんな言葉つかって……」
 ポトルの表情が険しくなる。
「あ、それは私がいいよって……」
「勇者様……」
「そういうことだからさ、怒るなよポトル。さて、中にはそれらしいものも見当たらないし、外を探してみようか」
「あ! フィルア、ちょっと待ちなさい!」

 神殿の外は雑草が生い茂り、全くと言っていいほど人の手が加えられていなかった。自分たちの背丈以上ある草木をかき分けながら、手分けしてアクションソードの手がかりを探す。
「レナ!」
 リンの声を聞き、レナは彼女の声がした場所へと向かう。少し開けたスペースにレナとルルが立っていた。
「これなんだかわかる?」
 ルルの手に握られていたものは携帯電話だった。色や形も見覚えがある。
「貸してっ!」
 レナは奪い取るようにそれを手にして、二つ折りの電話を開いた。
「なんでコレがこんなところに……」
 見覚えがあるプリクラの待ち受け画面。レナとサクラとツバサの3人の写真だった。
「サクラちゃんの携帯だ……」
「レナの友達?」
 リンの問いにレナはこくんと頷いた。
 レナは電話の発信履歴を確認してみる。たくさんの履歴が残されていた。その中にはレナの名前もあった。送信に失敗して未送信になっているメールを見つけた。
「レナ無事? 私とツバサは大丈夫。安全そうな建物があってそこで待ってるから。レナも連絡頂戴…………でも……神殿の中には誰もいなかったよね……?」
「それがここに落ちている時点で大丈夫じゃないだろうね」
「ルル! もう少しいい方ってものがあるでしょ!?」
 飛びかかるリンをルルは華麗にかわす。

「どうしました?」
 騒ぎを聞きつけたポトルとフィルアもやってきた。顔を真っ青にして俯くレナを見つける。
「勇者様……?」
「サクラちゃんとツバサちゃん……私の友達もこっちの世界に来てるみたいなの……ここで待ってたみたいなんだけど2人とも見当たらないし……2人ともハイグレ人間にされちゃったのかな……」
 レナの声は震えている。
「レナの友達もこの世界に来てたのか……よし、あれを使ってみよう」
「だけど……」
 その提案にポトルは難色を示した。
「まだ決まったわけじゃない」
「……わかったわ」
 ポトルは渋々承諾すると、地面に魔法陣を描き始めた。
「ポトルは時間に関する魔法が得意で、こうやって過去を見ることも出来るんだ」
 フィルアが得意げに言う。
「できたわ」
 大きなため息を一つ吐いてからポトルは立ち上がる。そしてレナを見る。
「勇者様、これでこの場所で起きたことを再現することができます。……ご覧になられますか?」
 レナは弱弱しく首を縦に降った。しかし、彼女の目は力強くポトルを見つめていた。
「わかりました」
 ポトルが魔法陣に呪文をかける。すると紋様が虹色に光り始めた。
 
「レナァー!? どこにいるのよぉー!!」
 ドキッとするような、ホッとするような懐かしい声。サクラの声だ。魔法陣の上にサクラとツバサの姿が浮かぶ。まるで本物が目の前にいると錯覚してしまいそうだった。
「すごい……こんなに鮮明なものは初めて見たわ」
「ここまで綺麗に出せるのは先生たちにもいなかったな」
 リンとルルは目を輝かせて映像を見つめる。
「なんてど田舎なの! 電波が全然位はいらない! これじゃ携帯が使えないじゃない!」
 今はレナの手の中にある端末。それを握りしめてブンブン振り回しながらサクラが叫んでいる。
 その様子をしばらく黙って見守っていたツバサは、サクラの腕を優しく掴んで制した。ツバサはもう片方の手の人差し指を唇に当てる。
「誰かいるの? まさかレナ!?」
 ツバサは首を横に振る。
 ツバサはサクラを引っ張り茂みに飛び込んだ。
「勇者ァ! 隠れてないで大人しく出てこい!」
 怒号とともに黒いTバック姿のマッチョが現れた。小麦色の男はクロスボウを片手に辺りを見回している。
「な、なんなのあいつ……」
 2人は隠れながら男の動向を注視する。 
「このTバック男爵様から逃げられると思っているのか!?」
 Tバック男爵は慎重に辺りを見回す。
「Tバック男爵様」
 彼の背後に茶色のハイレグ水着を着た女が跪く。

「カロラ……!」
 ルルから重い声が漏れる。もちろんカロラに聞こえることはない。
 レナは話で聞いただけで、姿を見るのは初めてだったが、想像通りのかわいい女の子だった。
 カロラはすっと立ち上がりガニ股になった。
「ハイグレッハイグレッ! 神殿の中には誰もいませんでした」
 その報告にTバック男爵は表情を曇らせる。
「そうか。もうここから逃げたのかもな」
 Tバックは構えていたクロスボウを下ろす。
「クソッ! アクションソードはもう奴らの手に……」
 悔しそうに地団駄を踏むTバック男爵にカロラが進言する。
「その恐れはなさそうです」
「なに?」
「あの場所にある木だけ風が抜けないんです」
「風?」
「はい。風が通らないということは……:
 そう言いながらカロラは小型の銃を構えて、茂みに向けて放った。
「キャアッ!?」
 光線が放たれた場所から悲鳴が上がる。
 男爵とカロラ、レナたちも息を飲んで見つめる。
 次の瞬間、サクラとツバサが茂みから飛び出した。2人ともセーラー服のままだ。
「何やってるんだ! 1発で仕留めろ!」
「も、申し訳ありません!」
 2人の少女をTバックを穿いた男とハイレグを着た女が追う。
 映像は魔法陣の外に出ても途切れることなく続いた。リンとルルの様子をみるに相当強力な魔力でないとこうはいかないようだ。

「と、とりあえずあの中に逃げるわよ!」
 サクラが神殿を指差す。サクラも小さく頷いた。
 それを聞いてレナたちも神殿へと向かう。
 サクラが扉を開け中へ飛び込む。レナたちも同時に神殿の中に入った。
「あれ?」
「あれ?」
 サクラとレナは同時に喋った。
「ツバサ!?」
「ツバサちゃん!?」
 ツバサは神殿の中に入ってこなかった。サクラは扉を開けようとするが外から押さえられていてビクともしない。
 サクラが体当たりを敢行するが逆に弾き返され、尻もちをついてしまった。
 その瞬間、扉の隙間からピンク色の光が漏れて、ツバサの小さな断末魔が聞こえた。
「ツバサ……そんな……」
「ツバサちゃん……」
 レナは携帯電話をぎゅっと握りしめる。
 しばらくして、再び扉は開かれた。ゆっくりとツバサの手によって。

「捕まえろ」
「ハイグレッハイグレッ」
 短く言い放たれたTバック男爵の命令に、小さな声だがハッキリと返事をするツバサ。青いハイレグ水着を着てハイグレポーズを行うと、命令に従ってサクラへ近づいていく。
 細身で健康的に締まった体にピッチリとしたハイレグがよく似合っている。
「ツ、ツバサって水泳部の助っ人もイケそうね……」
 石の床にお尻をついたまま、後ずさりするサクラ。
「ツバサちゃんは水泳部の助っ人もやってるよ……」
 レナの言葉がサクラに届くことはない。
「サクラもハイグレ人間に」
 カロラと同じ銃をツバサも持っていた。ためらうことなく銃口をサクラへと向ける。
「い……嫌……」
「撃てぇ!!」
 男爵の声に従いツバサはためらうことなく引き金を引いた。
「キャアアアアアアアアアアアアア!」
 サクラは光線に包まれた。閃光の眩しさにレナたちは思わず目をつぶってしまう。
 視界が回復すると、サクラは相変わらず床に尻をつけたままだったが、ピンク色のハイレグ水着を着せられていた。両膝を立ててまるでM字開脚のような体勢だ。しかし、サクラには股間を強調するような状態を恥ずかしがる素振りはない。それどころか立ち上がるとすぐさまガニ股になって、深く腰を落とした。
「ハイグレッハイグレッ! ハイグレ人間サクラ、転向完了いたしました! Tバック男爵様、私にもなんなりとご命令を!」
 サクラは自らハイグレポーズを行い、目の前のTバック姿の変態に忠誠を誓った。
「ガッハッハッ! いい心がけだ!」
 Tバック男爵が満足気にサクラを見る。
「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」
「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」
 サクラのハイグレポーズに合わせて、残りの2人のハイグレ人間たちも彼女に合わせるようにハイグレポーズを開始する。
「こりゃあハイグレ魔王様に褒められちまうな」
 Tバック男爵は一心不乱にハイグレを繰り返すしもべたちを見ながら興奮した様子で大きく笑った。
 そこで映像は終了した。男爵はもちろん、サクラもツバサも消えてしまった。
 全員覚悟していたことだが、ここまでしっかりと一部始終を間近で見せられるとやはりショックは大きい。友達を失ったレナはもちろん、これまでたくさんの仲間をハイグレ人間にされてきたフィルアたちも黙ってしまった。
 レナは大きく深呼吸をして、携帯電話をポケットにしまった。
「で、でもさ、Tバック男爵って人と鉢合わせにならなくてよかったね! うん!」
 そう言って笑う。
「アイツもハラマキレディース同様、ハイグレ魔王の部下みたいね」
 リンもなんとか会話を繋げようと口を開く。
「とにかくアクションソードを見つけ……もご!?」
 ソニアが彼女の口を塞いだ」
「ぷはっ! ちょっと何をむぐっ」
 リンはソニアを手を振りほどく。しかし再び彼女の口を塞ぐソニア。
「敵……近づいてきてる」
 ソニアが短く言った。
「宿屋の時といい本当に鈍いね。多分みんな気付いてるよ」
 ルルの言葉にリンは仲間たちを見回す。レナが申し訳なさそうに目を逸らしたのを見た。
「うう……」
「落ち込んでる暇はないよ。さあ、敵を迎え打たないとね」
 優越感に満ちた表情でルルはリンの肩を叩いた。

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No title

風呂に入りながら一話から読み直していました。いやはや、あらためて読み返すとしっかりとしたストーリーに構成されていることに驚きます。何よりキャラクターの活かし方がうまい!登場して即洗脳ではなく、ある程度人物設定を明確にした上での洗脳なので、より悲壮感が増しています。いまのところあまり役に立っていない(ひどい)主人公レナの今後の成長譚も楽しみです。

さて第五話ですが、ツバサとサクラがようやく再登場したかと思いきや、すでにハイグレ人間にされていたなんて…。そしてカロラの再登場、強力な味方が敵に回ると厄介ですね。そこがハイグレ洗脳の恐ろしさ!

ぬ。さんの作品群からは原作に対するリスペクトを感じます。舞台は異世界ながらもハイグレ魔王軍の設定はあくまでも原作を逸脱せず、洗脳からハイグレポーズに至る過程以外に余計な性的描写を加えないところが、私としてはとても高評価です。

Re:

> ROMの人さん
コメントありがとうございます
わざわざ1話から読み直してくれみたいで嬉しいです
しかもこんな濃厚なコメントまで頂けるとは(*´д`*)

原作のリスペクトやあまり設定を逸脱させないのはずっと大切にしてきたことなので、そこを評価して頂けたことは励みになります(`・ω・´)

現時点ではお荷物(失礼)になっちゃってるレナちゃんと、未だに洗脳されず生き残っている主要キャラたちの今後にご期待ください(*´д`*)
プロフィール

ぬ。

Author:ぬ。
本家でもちょっとだけ活動させて頂いてました。初のブログですが色々とチャレンジしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。ハイグレ、ハイグレ、ときどきアップル。

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