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クレヨンしんちゃん ハイグレ魔王とシモベたちの逆襲! 第9話

毎度ありがとうございますぬ。です
コップンカー(タイ気触れ)

ご存知の方も多いと思いますが私事ですが今月はタイの方へ旅行へ行ってきました
無造作に画像あげているので詳しくはTwitterで(死)
たくさんの経験や刺激を貰いまして余すところなく創作に活かしていけたらと思っております

誰が言ったか「真夏のピークが去った」
野原家の熱く暑い夏はまだまだこれからです

それではお待たせしました。9話をどうぞ( ・`ω・´)(男性注意)










 北春日部6号はハイグレ人間4人を乗せて異次元空間を突き進み、もう一つの地球へと到着した。夏の太陽もすっかり傾きオレンジ色に染まっていた。これから春日部に帰ると思うと気が重かった。時空を移動するのはとても体力を使う。何時間も座りっぱなしだし、休憩する時間もない。北春日部一味が盗聴器を仕掛けている可能性もあるため不用意に会話も出来なかった。つまりハイグレができないのだ。砂浜に停められた車まで辿り着く。砂埃をたっぷりと被った愛車の青いボディは真っ赤な夕日を鈍く反射させている。でも厳密にはこの車は自分の車ではない。向こうの世界の……今はこっちの世界の野原ひろしの愛車だ。もしかしたらこの汚れも今日より前からついていたのかもしれない。いや、野原ひろしに限ってそんなことがあるはずがないか。どの世界線であっても野原ひろしは野原ひろしなのだから。疲れ切った頭の中に次々と浮かんでくる思考に対してひとりで首を横に縦にと振っていると、いよいよ家族に怪訝な顔をされ始めた。というより、早く車に乗りたそうな目をしている。みんな長時間の移動で疲れているのだ。ズボンのポケットを探って車のキーを取り出す。砂に足を取られながら運転席へと回り込んでキーをドアノブに差し込んだ。ガチャリと無機質な機械的な音と共に解錠される。待っていましたと言わんばかりに、しんのすけが後部座席に飛び込んだ。ひまわりとみさえも車に乗ったことを確認してからひろしも運転席へと座る。「ふう」とひとつ大きな溜め息が漏れる。ハンドルの下にあるキースイッチに鍵を差し込み捻る。キュルキュルキュルとセルが鳴ってブルルンと車体が大きく振動する。ドッドッドッとアイドリング状態に入った。バックミラーで後方を確認すると、この車が砂浜に進入したときに出来た轍があるのみ。他には足跡ひとつついていなかった。他にある足跡も車と北春日部6号を結ぶ自分たちのものだけだ。どうやら本当にこの場所は日頃から誰も立ち入らない穴場のようだ。ひろしはキーを逆方向に回してエンジンを停止させた。車内から激しいブーイングが運転席へと浴びせ掛けられる。衝動的にエンジンを止めたのはもちろん理由があった。

「せっかくハイグレ魔王様にお会いできた地球に来られたんだ。記念にハイグレしていかないか?」
 ひろしの提案に妻と子どもたちから返事はない。代わりに服を脱ぐことでイエスと答えた。

 砂浜に整列して、オレンジに染まった太陽の光を正面からたっぷりとハイグレに浴びせる。ひろしとみさえが両端に立ち、しんのすけとひまわりが間に挟まれる。夕焼けでハイグレの色が普段より黄色味がかっている。ひろしだけでなく、ひまわりまで車に届くくらい長くなった影を従えてガニ股になる。

「再びこの地球を偉大なるハイグレ魔王様に捧げるため、野原一家ぁ……ハイグレェ!!」

「「野原一家ァ、ハイグレェ!!」
「たいたいたい、はいぐれ!」

 沈みゆく太陽に地球の運命を重ねるように叫ぶと、4人は一心不乱にハイグレを繰り返した。疲れていたことなんて忘れて何度も何度もガニ股になって強調された股間へと腕を運ぶ。太陽が沈むまで夢中でハイグレを貪った。薄暗く人が立ち入らない場所だから可能な行為。いつか堂々と街中で、地球人全員でハイグレ魔王へと捧げられる日を目指して野原一家は砂浜が闇に包まれるまでハイグレを刻み続けた。







 ハイグレ人間の朝は早い。前日に時空を越えるほどの長距離移動を行っていても関係ない。ハイグレをやりすぎて疲れが溜まっていようが関係ない。ハイグレをやり過ぎた結果、帰宅したのが夜明けギリギリ手前であっても関係ない。ハイグレ魔王が決めたスケジュールに従って動くのはシモベとして当然である。
 朝の6時。日課のひまわり体操の曲で目を覚まし、家族全員でのハイグレを済ませると、軽い朝食を取る。それからひろしはトイレに入ろうと朝刊を手に取った。トイレのドアノブに手をかける前に軽く

見出しに目を通す。

「な、なんだあ!?」

 トイレに行くのも忘れて廊下で新聞を広げる。

「ハイグレ人間へのフラッシュバックの特効薬を北春日部博士が開発。早ければ今秋にも実用化へ……」
 大きな文字と共に白衣姿の北春日部博士が記者会見をしている画像が掲載されている。
「これまでフラッシュバックを発症した患者へは北春日部博士が同じく開発したワクチンを投与して症状を抑えているが、遅効性であることと定期的なワクチンの服用が必要となっている。今回の新薬は即効性で1回のみの投与で治療が可能という。また未発症の状態でも有効性が確認されており、フラッシュバックを予防することも可能だという。この新薬はハイグレ着せ替え洗脳銃を撃たれたハイグレ人間の洗脳も解くほど強力だということで、これまで確認されているフラッシュバックのほぼ全ての症状に対応できる。開発者である北春日部博士は『まだ生産も含めて実験段階であり、量産化への課題が残っている。しばらくは現行の治療薬がメインとなるだろう』とコメントしている。フラッシュバックの予防が可能となり、過去にハイグレ人間へと洗脳された人々へ新薬が行き渡れば問題の根本的な解決に光も見えてくると専門家は指摘する。早い段階での量産体制の確立、実用化が待たれる」

 記事を読み進めていくと、こちら側の地球では自分のようにハイグレ人間の時の記憶が蘇る症状が多く発生し、その対策が行なわれていることがわかる。北春日部博士やリリ子たちが突然の訪問の要望に応じてくれたのも、ある程度の対策が取れていることの裏返しかもしれない。しかし、この記事を読む限りでは現在使用されている現行ワクチンはハイグレ光線を浴びた本物のハイグレ人間には効果は薄そうだ。心身ともにハイグレ人間へと転向を済ませている野原一家にとってはすぐに脅威とはならないだろう。だからこそ北春日部博士が開発した新薬の量産化は何としても防がなければならない。
 新聞をグシャグシャっと乱暴に折りたたみ、踵を返してトイレとは逆方向にある居間へと向かった。

「みさえー!」
「あなた!!」
 居間と廊下を区切る引き戸の敷居を挟んでハイグレ姿の夫婦が対面する。
「この記事を見てくれ!」
「この番組を見て!」
 ひろしは新聞を、みさえはテレビをそれぞれ指差しながら言った。
「「え?」」

 お互いが顔を見合わせる。居間の奥に置かれたブラウン管から聞き慣れたアナウンサーの声が聞こえる。

「全国の皆さん! ご存知の通り私はあの日、皆さんの眼の前でハイグレ魔王様のシモベであるハイグレ人間となりました!」

 ワイドショーの顔である団羅座也アナウンサーがカメラで仁王立ちになって叫んでいた。トレードマークの将棋の駒をあしらったジャケットを脱ぎ捨てる。蛍光色の緑色のネクタイとパリッとアイロンのかかった白いワイシャツ姿になった。

 ひろしとみさえはテレビの前に座って団アナウンサーが次に発する言葉を固唾を飲んで見守った。

「ただいまニュースでお伝えしたようにフラッシュバックの治療薬の開発が進んでおります。しかし私は断固反対であります!」

 よく通る引く声で団アナは高らかに宣言する。しゅるりとネクタイを外して、投げ捨てることもせず無関心そうに真下に落とした。薄っすらとワイシャツの下から緑色の布が透けていた。これだけ見ると肌着かタンクトップが透けているだけに見えるが、スタジオの空気が変わったのが彼がズボンのベルトに手を掛けた時だった。スタッフの怒号も無視してカチャカチャとバックルを外す。重力に逆らうことなく落ちたズボンの下はパンツではなかった。代わりに鋭い切れ込みの緑色の布。やはりこれも下だけ見るとビキニパンツに見えなくもないが、じっくり見てみると布は下腹部を超えておへそ辺りまで伸びているのがわかる。「取り押さえろ!」という叫びと共に飛びかかった若いスタッフと揉み合いになりながらも、アナウンサーはシャツのボタンをひとつひとつ外していく。既に露わになっている下半身の緑の生地は、彼のイチモツを柔らかく包み込んで滑らかに膨らみ、上半身の動きに合わせてプルプルと揺れていた。
 右腕に飛びついたスタッフを振り切った際にスタッフが団アナのシャツの袖を掴んだことによって、真っ白いシャツは激しい音を立ててビリリと破れてしまった。ボタンも千切れて緑色のハイレグ水着に覆われた右半身が露わになる。千切れた布を気にする様子もなく、団アナは残った左半分の布切れを体から引き剥がして投げ捨てた。シンプルなワンピースのハイレグ水着姿になる。覚悟を決めて腹を括ったような厳しい顔つきにスタッフも共演者も固まってしまった。

「必ずハイグレ魔王様はお戻りになられます! 全国のハイグレ人間の皆さん、ハイグレ魔王様のシモベとして諦めることなく、その日を待ち続けましょう!」
 細い目を目を見開いて気持ちを伝えると、団羅座也はカメラの前でガニ股になった。

「ハイグレッハイグレッハイグレッ! みんなハイグレを着続けよう!」

 高らかに呼びかけた後も団アナウンサーはハイグレポーズを続ける。やがて思い出したように飛びかかったスタッフたちに取り押さえられて番組はコマーシャルへと切り替わってしまった。

 ひろしは初めて自分以外の発症者を目の当たりにして、テレビを見つめながら口をぱっくりと開けて固まってしまっていた。あの水着もどこからか苦労して見つけたものなのだろう。かつての自分がそうだったように。水着1枚からもハイグレ魔王への涙ぐましい忠誠心をひしひしと感じる。

「この世界のハイグレ人間のみんなの運命を私たちは背負っているのね」
 みさえがテレビを消しながら言った。予想通りコマーシャルが明けた時に団アナはいなくなっていた。

「あのアナウンサーの為にも俺たちがこの世界を救うんだ」
 ひろしが立ち上がる。彼と同じハイグレ姿で任務を遂行することを改めて宣言する。
「オラたちでこの世界をお助けするんだ!」
「たい!」
 子どもたちも立ち上がった。もちろんみさえを列に加わる。ハイグレ魔王にだけでなく、身を挺してハイグレ人間たちに抵抗を呼びかけたアナウンサーにも捧げるハイグレを始めるべく股を開き腰を落とす。

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」

 ハイグレ人間たちは迷うことなくハイグレポーズを始める。爽やかな夏の早朝。野原家のカーテンは全て締め切られている。扇風機が回る部屋の熱気はムンムンに高まっていた。
「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」

 かつてこの場所へやってきた時とは立場が180度逆転してしまった。今回は地球の平和を脅かす侵略者の手先だ。身も心もハイグレ光線に侵食された野原一家に迷いはなかった。

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」

 ひろしたちは時間も忘れて侵略者に忠誠を誓うポーズを繰り返した。

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」



つづく
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待ってました!

第9話ありがとうございます!17時ジャストに見ました笑っ
フラッシュバックがポイントになりそうな、、まつざか先生とかハイグレ人間になったクレしんのキャラのいまが気になりますね。博士は大丈夫だったんですかね?大丈夫そうだけど。。今後どんどん洗脳されてほしいです。

No title

第9話投稿、お疲れ様です。
いよいよ物語が動き始めた、まさに第二部序章とでも言うべき壮大な蠢きを感じるプロローグですね。

団アナウンサーの緊迫感もさることながら、やはり「野原一家ぁ……ハイグレェ!!」が今作を象徴する一節でしょう。
原作でも度々物語の転換点で使われている、この台詞。
家族の団結感を確認する感動的な名場面、それがハイグレ魔王の手先として偽りの正義に歪められたからこそ背徳感のインパクトが凄まじかったです。

新薬の大量生産と思ったより強大な敵と戦わねばならなくなった野原一家。
北春日部博士との邂逅は波乱なく迎えられるのか、ハイグレ魔王の介入はどこで来るのか。
今後も楽しみにしております。

No title

コップンカー!(謎便乗)(`・ω・´)ノ 別経路で気軽に会いに行ける距離感と最近なんにもしてないことへの後ろめたさで諸ブログから足が絶賛遠のき中の0106でございます(謎残念理由

原作映画の日常が侵食される恐怖感がハイグレの側から描写されていて、基本無双しちゃうハイグレ人間側には珍しい足元の覚束なさが今後の展開をwkwkさせてくれて最高ですやんか…(*´д`*)団羅座の演説も原作のスパイスがふんだんに効いていて「男のハイグレは消極的にアリ派」の私も思わず大興奮しています

ハイグレに染められていく世界ならぬハイグレが塗りつぶされていく世界でハイグレ野原一家がどう活躍していくのか目が離されへんでといったところで今日はこのへんではではー!(`・ω・´)ノシ。oO(野原一家ファイヤーのセリフ改変ほんますき(謎感想)

Re: 待ってました!

>ひでさん
コメントありがとうございます
フラッシュバックはひろしだけでなく多くのハイグレ人間経験者を苦しめていたんですね
博士も含めて劇中で洗脳された人々がどうなっているのか…今後どうなっていくのか
今後の展開にご期待ください!

Re:

>牙蓮さん
コメントありがとうございます
第2章が本格的に動き出しました!
今回は洗脳シーンなし、洗脳風シーンは中年男性という男性注意の注意書きも小さく隠したくなるほどのとんでもない回だったわけですが、野原一家のハイグレ人間として染まりきった姿が好評で一安心です
あのセリフまでハイグレに塗り替えられてしまっては救い用がないレベルで洗脳されてしまった感じが出て無様ですよね
ハイグレ側にはフラッシュバックとハイグレ光線というチート設定がありますが、その対抗となるのが治療薬という形になります。野原一家にとっては間違いなく脅威ですね
頑張って書き進めていきますので今後もよろしくおねがします!

Re:

>0106さん
コップンカーップ(黙)
コメントありがとうございます
タイでは女性はコップンカー、男性はコップンカップというらしいです。ップは発音自体はしないらしく日本にはない子音なので日本人には難しいそうです(謎にわか知識)
コメント欄以外でも感想貰う手段があるからね〜やっぱり形に残るここに貰えると嬉しいけど
主人公であるはずの野原一家が侵略者の手先となって物語が進んで行く設定はありそうでなかった(というか俺以外誰も原作SS書いてねえ!)わけだけど、治療薬という障害の出現がフラッシュバックと相まって面白くさせてくれるかなと思います
究極の原作ハイグレSSは老若男女が登場しても面白いものなんだと思います。そこに一歩でも近づけたようなら良かった(*´Д`*)
団アナも含めて薬に関しては今後触れていく予定(´・ω・`)
野原一家ハイグレェが各所で大好評で嬉しみ(*´ω`*)
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ぬ。

Author:ぬ。
本家でもちょっとだけ活動させて頂いてました。初のブログですが色々とチャレンジしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。ハイグレ、ハイグレ、ときどきアップル。あと野球。

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