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クレヨンしんちゃん ハイグレ魔王とシモベたちの逆襲! 第6話

毎度ありがとうございます。ぬ。です
先日は急なアンケートにご協力頂きありがとうございます


結果を参考にさせて頂きまして…

本日、本編の6話を投稿します

今後は月イチ程度のペースでの投稿を予定しています
それではお楽しみ下さい
どうぞ!( ・`ω・´)





 心地よい疲れを全身に感じながら布団に包まる。初夏とはいえ深夜になると昼間の暑さが嘘のように涼しくなる。ひんやりと冷たい布団が火照った体の熱を奪ってくれる。剥き出しになった両腕、両足の疲労感が吸い込まれるように抜けていく。
 シーツと擦れて持ち上がったハイグレの股布を手で探って丁寧に直す。ハイグレを正しい状態に整えてから、ひろしは一つ大きく深呼吸をした。天井に吊るされた照明のオレンジ色の常夜灯を静かに眺める。数時間前までは想像すらしなかった。まさかハイグレ姿で布団で眠ることができるなんて。まさか本物のハイグレ人間になれるなんて。まさか……隣で眠る家族までがハイグレ人間へと生まれ変われるなんて。既にふとんを蹴り飛ばし、ハイグレ姿ですやすやと眠るしんのすけ。息子を挟むように反対側で眠るみさえも、掛け布団はしっかりとかぶっているが紫色の肩紐がしっかりと確認出来る。ベビーベッドでぐっすりと眠りに付いているひまわりも立派なハイグレ人間だ。切れ込みこそ鋭いが、赤ちゃんサイズの小さなハイグレを着ている。今夜は愛娘に助けられた。野原家最強の戦闘力を誇るみさえを真っ先にハイグレ人間に出来たのは大きかった。決してハイグレ銃を渡さず、しっかりと引き金を引いてみさえに光線を命中させた。まだハイグレ人間に転向していなかった状態の赤ん坊が最も貢献している。ハイグレ人間となったひまわりはもしかして……。ひろしの考察は押し寄せる睡魔に覆われて静かに閉じられた。



 翌朝、ひろしは会社を休んだ。生まれて初めてのズル休みだった。ハイグレ人間に生まれ変わる前をカウントしても当然ながら初めてだ。おかげで会社のみんなはあっさりと風邪だと信じてくれた。真面目に会社に尽くしてきた賜物だ。この献身性はハイグレ人間になっても変わらない。いや、忠誠心は今の方がずっと上に違いない。しかも、サラリーマンの時は理解してもらえなかったこの気持ちを今は妻と子供とも共有している。ゴルフの予定が入りピクニックが延期になってしまったとき、家族全員から猛烈な批判を浴びせかけられた。翌月に順延するということでようやく納得してもらったのだ。しかしピクニックは中止になった。みんな納得の決定だった。ハイグレ人間にピクニックをする必要もなければ権利すらない。野原一家はハイグレ星人のシモベに生まれ変わったのだから。

 しんのすけも幼稚園を休むことになった。みさえが連絡を入れてふたつ返事で了承された。もちろん、しんのすけもひろしもハイグレを貪るために自発的に休んでいるわけではない。支配者であるハイグレ魔王の命令に忠実に従い行動している。ハイグレ人間が勝手な行動をとることは決して許されないのだ。


 お昼過ぎ。野原一家は再び電話機の前に立っていた。ひろしだけが廊下の反対側に立って向かい合う形になっている。

「ハイグレッハイグレッ!」
 家族を先導するようにひろしがハイグレを行う。

「「「ハイグレッハイグレッ!」」」
 一家の大黒柱のハイグレに答えるようにみさえたちがハイグレを行う。しんのすけもひまわりもすっかりハイグレが板についてきた。そのまましばらく4人でのハイグレが続いた。
 ハイグレ魔王に最後まで抵抗し、最後には地球征服の野望を打ち砕いた伝説の家族。しかし、ハイグレ光線さえ浴びせてしまえばハイグレ魔王の尖兵として従順に働くようになる。ハイグレ光線の前にはどんなに強い意志を持っていても地球人は決して抗う事は出来ない。そのことを無慈悲にも野原一家が身を以て証明にすることとなってしまった。
 唯一研究所でハイグレ人間となっていたひろしにとっては家族全員のハイグレは夢にまでみた至福の時間だった。やはり家族とするハイグレは格別だ。ハイグレ星人に忠誠を誓う最下層のシモベが味わうには勿体無いくらいの贅沢な時間を4人は噛み締める。

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」

 あの日、最後まで逃げ切ったみさえは初めてハイグレ人間になって自分が愚かなことをしていたことに気づいてくれた。1年前に大罪を犯したしんのすけも自らがハイグレ人間になったことで、罪の重さを理解して反省したようで今では立派なしもべとなった。当時は姿形もなかったひまわりはハイハイしかできないのに、ハイグレをする時だけは自らの足で立ち上がってガニ股になれるようになった。言葉も今はまだ「ハイグレ」としか喋れないが、パパとママよりも先に覚えた言葉がハイグレというのはひろしはハイグレ人間として、ハイグレ人間の親としてとても誇らしかった。

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレッ」」」」

 ハイグレ人間としてハイグレ魔王に全てを捧げると誓った野原一家は無心にハイグレを貪り続ける。

「いい加減におし!」

「「「「ハイグレッハイグレッハイグレッハイグレェッ!?」」」」

 階段の上から怒鳴り声が聞こえる。ハイグレ人間たちは声だけで本能的に危険を察知して姿勢を正して直立の姿勢になる。しばらくして、マントで体を覆って顔に仮面を付けたハイグレ魔王がフワフワと宙に浮きながら階段を滑り降りてくる。

「もっ申し訳ありません……ハイグレ魔王様……!」

 ひろしが家族を代表して即座に謝罪した。

「お前たちは地球人の中でも特にトラブルメーカーなんだから、あたしたちがしっかり管理してあげないとやっぱりダメね」

「ハイグレッハイグレッ、その通りでございますハイグレ魔王様……どうか愚かな私たちハイグレ人間を偉大なるハイグレ魔王様のお力で正しい道へとお導きください!」

 みさえもひろしに続いて謝罪をした。夫としてこの状況を黙って見ている訳にはいかない。改めて陳謝するために口を開く。

「ハイグレッハイグレッ、私たちハイグレ人間は――」

「おだまりッ!」
 黙らせられてしまった。場の空気的にもハイグレ人間の本能的にも逆らうことができず大人しく引き下がる。

「まったくホントに手のかかるシモベたちだわ。でも許してあげる。その代わり……ちゃ〜んとあたしの指示通りに動いて地球征服計画を成功させるのよ」

「「「「ハイグレッハイグレッ!!」」」」
 ハイグレ人間たちはすぐさまガニ股になり返事をする。侵略者の手先となって働くことを改めて誓った。
 ハイグレの余韻を楽しむこともなく、みさえは受話器を上げた。メモに書かれた番号のボタンを慎重にプッシュしていく。

「練習通りしっかりやるのよ」
「かしこまりました……全ては偉大なるハイグレ魔王様のために……」

 みさえは唇を噛み、生唾を飲み込む。緊張している様子がひろしにも伝わってきた。周りにも会話が聞こえるように受話器ではなく電話機本体のスピーカーから呼び出し音が鳴る。

「もしもし?」

つづく
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非公開コメント

ありがとうございます

第6話読ませていただきました!
一番魔王様を苦しめた家族のハイグレは格別ですね。少しずつ少しずつ地球を侵略していく姿楽しみです。個人的にはリリ子、ミミ子が好きなので、早くハイグレの素晴らしさを知ってほしいなぁって勝手に願う今日この頃です。笑
これからも自分のペースでがんばってください!!

感想

小説投降お疲れさまです!
僕がぬ。さんの小説で一番好きなのはハイグレクエストです!
すばらしい作品でした!ぬ。さんの書く小説は全部面白いです!
さて!僕は今pixivでハイグレ洗脳書いていません!リクエストされ別の書いています!今かいている小説が一段落すればまたハイグレ小説をかきます
これからもお身体にお気をつけ下さい

Re:

>ひでさん
コメントありがとうございます
今回はあえて洗脳後の野原絵の日常シーンを書いてみました
結果的には慣れてないからかすごく難しかったという…
リリ子ミミ子も王道ですからね。是非洗脳してあげたい
いつもお心遣いありがとうございます!これまで通りマイペースで頑張ります!

Re: 感想

>神速の双劍さん
コメントありがとうございます
シモベたちの逆襲だけでなくハイグレクエストまでお褒めいただきありがとうございます!
リクエストされた小説を書かれるというのはなかなか責任重大ですね。神速の双劍さんの次期ハイグレ小説も楽しみに待ってます
お互い体に気をつけて頑張りましょう!

No title

新作お疲れ様です、日常編いいですね~。
ハイグレ姿のまま布団で眠る初夜も想像しただけでワクワクしますが、電話機前へ整列して任務の前にハイグレを貪る姿が何ともリアルで……。
小説書こうと思ってファイルを開けば、ちょっと気が向くまでとネットサーフィンしてしまう自分と重なってしまう(笑)
ハイグレ魔王様のしもべとはいえ、ハイグレの理の下で生きるハイグレ人間達にとても共感できました。
最後に電話を掛けた相手は果たして誰なのか? 次回作も期待しております。

はいぐれ!

月1と分かっててもここに来てしまう。
予告編もほしくなりますね。。笑っ

Re

>牙蓮さん
コメントありがとうございます
あえての第2部の1話目なので思い切って日常シーンをメインにしてみました
作業中についつい脇道に逸れてしまうことはよくありますが、ハイグレ人間にとって「ハイグレ」が脇道だと思うと、ハイグレをする存在に生まれ変わったというのになんとも切ないですね…
今回は日常にフォーカスさせるために、あえて電話のシーンは次回に回して引きに利用させていただきました
さて、いったい誰なんでしょうね…?(黙

Re: はいぐれ!

>ひでさん
コメントありがとうございます
いつでも来ていただいていいですよ( ̄▽ ̄)
ちなみに今月はもう1回ほど更新を予定しています
7月分の前倒しや予告ではなく純粋な更新ですのでもうしばらくお待ち下さい
プロフィール

ぬ。

Author:ぬ。
本家でもちょっとだけ活動させて頂いてました。初のブログですが色々とチャレンジしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。ハイグレ、ハイグレ、ときどきアップル。あと野球。

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